遺体葬と骨葬
葬儀・告別式の後に火葬するという順番が一般的ですが、葬儀・告別式に先立って火葬する慣習の地域のあります。東北地方を中心にして全国各地に散在しています。
葬儀・告別式に先立って火葬することを「骨葬」と称しています。
骨葬地域では、本通夜に先立って火葬する地域もありますが、午前中に出棺して火葬に付し、午後から葬儀・告別式を行い、その後菩提寺に行き納骨(埋骨)するのが一般的です。火葬と葬儀・告別式の間に日を置く事もあります。骨葬の場合、出棺と火葬を「密葬」と称し、葬儀・告別式を「本葬」と称することもあります。
骨葬地域でも葬儀・告別式で遺体との別れができないから変えようという動きがあったり、遺体葬地域でも、最後 の別れは家族だけでしたいからと骨葬(葬儀)を選ぶ動きもあり、地域の慣習の違いだけでなく遺族の考えも変わる要素になります。
また、山梨や長野の骨葬地域の一部では、葬儀式に先立って一般会葬者による告別式が行われる事があります。これは一般会葬者を待たせないこと、葬儀式の参列者は終了後ほぼ全員が精進落とし(お斎)に向かうという実用性から生まれたものです。
いずれも葬儀で火葬がその地域に導入されて以降の習俗ですので、早いところで大正時代以降、ほとんどは戦後に生まれた習俗と言えます。